開発経済学とその他応用分野を学ぶ院生

人間万事塞翁が馬を大切にしている応用経済学徒. 2020年4月から開発・計量・プログラミング関連の記事を書きます.

【感想】デカルトの憂鬱 マイナスの感情を確実に乗り越える方法

今週末は論文の改訂を行い、読みかけだった本一冊を含め、二冊読み終えることができた。その内の一冊が結構よかったので簡単に紹介する。

その本はこちら、『デカルトの憂鬱 マイナスの感情を確実に乗り越える方法』。

f:id:econgrad:20200913151354j:plain この本を二言で表現するならば、「デカルトの解説書」、「デカルトから学ぶ現代の人生指南書」となるだろう。この本は21章から構成されており、全373ページと結構長い。特徴として、21の動詞が章題になっているが、「辞書」や「参考書」のように読み進めることも可能なので、あまり興味がないところは流し読みをしてもいいし、読まなくてもいい。私は、二周目以降の読書を楽しむ傾向にある。もちろん一周目はそれはそれで刺激があり楽しいが、いい作品というのは、無添加天日干しのスルメのように、噛めば噛むほど味が出る。深みに到達できる。これは音楽でも映画でも同じだと思う。
 

少し私の好みについて書いてしまったが、二周目以降簡単に味わい深いところを噛めるように、人生指南章をメモランダムとしてここに書いておく(既に裏表紙に書き込んでいるが)。 ◎がVery Good、◯がGoodという評価。もちろん、章全体では何を言っているか分からなくても、素敵な考えや文章は本全体に散りばめられていた。
 

【◎】4章『デカルトは 意外と「休む」』、14章『デカルトは 少しずつ「慰める」』、15章『デカルトは 穏やかに「暮らす」』
【○】7章『デカルトは 自分のなかを「旅する」』、8章『デカルトは ミツバチのように「本を読む」』、11章『デカルトは 魂を耕すために「学ぶ」』、17章『デカルトは 遠大に「準備する」』
 

全ての人が楽しめる内容ではあると思うが、知的生産を本業としている人、挑戦・挫折・リセットを繰り返している人、精神的に強くなりたい人にはかなりオススメできる本である。おそらくこのブログの読者である、研究活動を行っている皆さんにもオススメしたい。もちろん、哲学を学びたい、デカルトが好きなどの目的も十分に達成できると思う。哲学素人なので分からないけど。
 
さてさて、今日は天気も微妙なのでスタバに行かずに部屋に籠ることにしている。夕飯までには、少し残している論文の改訂を終えたい。次回の読書感想は、『愛について語るときに我々の語ること』(『What We Talk About When We Talk About Love』)について書きたいと思う。それではまた。

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