開発経済学とその他応用分野を学ぶ院生

人間万事塞翁が馬を大切にしている応用経済学徒. 2020年4月から開発・計量・プログラミング関連の記事を書きます.

エコノメをかじり出した文系学生が計量・統計のテキストを読み進めていく順番(改'22)

2018年に「エコノメをかじり出した文系学生が計量・統計のテキストを読み進めていく順番」という記事を書いて、何度かPVが爆増したことがありました。当時は入門については一通り勉強を終えていて、中級〜上級レベルの勉強・講義の橋渡しに向いている本を探したりしていて、その過程で見つけた・良かった本をまとめた記憶があります。それから4年が経ち、多くの良書が出版され、Webで読める無料のテキストや無料で公開されている講義資料も増えたと思います。この4年間の経験を踏まえ、これから学習される(主に学部生や非経済学専攻の)方のお役になれるように更新したいと思います。 (※ 筆者は変わらずしがない屍のような院生です。ご購入の際は、本記事のリンクを踏んで下さると少し生活が助けられます。よろしくお願いいたします。)

 
タイトルの通り、計量経済学の勉強を始めた文系学生がどの順番でテキストに取り掛かるべきか、私の独断と偏見でオススメを紹介します。また、近年は経済学部に限らず計量経済学の手法を使う分野も増えていると思いますので、経済学専攻でない方にも参考になるかと思います。また、筆者は実証ミクロ計量の経験しかなく、マクロ・時系列の方にはあまり参考にならないかもしれません。初めに個人的な結論を述べますが、英語でも問題ないのであれば Mastering 'Metrics: The Path from Cause to Effect、日本語であれば実証分析入門の2冊(どちらか)を抑えることができれば学部3-4年生としては十分だと思います。この2冊の説明はこの記事の後半で出てきます。

 

初級よりも初級・何も分からないレベル

大学生だが数1や数Aすら危ういという方に向けて。学部レベル(と一口に言っても人によりますが)の計量経済学を理解するには、2年ほどあれば数学大っ嫌いな人でも間に合うと思います。

 
まずは一般書から読み始めるのがいいでしょう。1日あれば十分読める本です。

中室・津川先生の「原因と結果」の経済学週刊ダイヤモンド2017「ベスト経済書」第1位となった2017年のベストセラーで、伊藤先生のデータ分析の力サントリー学芸賞[政治・経済部門]、日経・図書文化賞受賞週刊ダイヤモンド「2017年ベスト経済書」2位となった本です。 詳細・書評はAmazonの商品説明やレビューに任せますが、どちらも数式を読まずにどのような分析が経済学・社会科学の研究で行われているのかとても分かりやすく説明されています。まずはどちらか1冊読むところから始めるといいかもしれません。明治大学の飯田先生の経済学講義 は計量も含め、ミクロ・マクロを初学者が学ぶにあたって必要な基礎知識をざっくりと説明しています。経済学全般を勉強したい人はこの親書が1冊目でもいいかもしれません。

 

統計学のイメージが掴めなかった私はこの辺も図書館で借りて読んでましたが、直感的に説明されていて数時間で読み切ることができるので、漫画から入るのが嫌でない人はサッと読んでみるのもありかと思います。

 

初級レベル

高校数学の基礎が問題ない方、時間が無い方はここから始めていいと思います。

計量経済学の第一歩 はまさに計量経済学の入門に最適な教科書だと思います。大抵のエコノメのテキストではそうですが、序盤で超最低限必要な統計の復習があります。当然これが十分でないと思いますが、この教科書でも計量経済学(特に回帰分析)の理解に必要な最低限の統計学の復讐がざっとされています。なので、計量経済学を勉強するために、統計学の教科書から勉強し直す必要はないかと思います。有斐閣のこのシリーズは良書が多いですよね。私も学部のときに読みました。実証分析のための計量経済学 も同じく初級レベルと言った感じでしょうか。数式による説明が少なく、実証分析、特に結果の解釈をするための(直感的な)説明にフォーカスされています。この記事を書くにあたって読み返したところ、抽象的で厳密性に欠けるなぁと思いましたが(少し勉強して偉そうになっている)、学部のときにある辞書的に活用していましたが当時はとても助けられました(大学院入学後も確認としてサクッと何度か目を通りしている)。特に離散選択モデル、プロビットやロジットなどのパートにお世話になった記憶があります。しっかり入門・計量経済学ー回帰分析編(経済セミナー)も超コンパクトでありながら非常に分かりやすくて良いですね。「初級レベル」に分類していますが、自分は必要ないと思っていても勉強になるのが経セミですよね。今はe-Bookも充実してきているのでとても助かります。(入門レベルではないと思いますが)しっかり入門・計量経済学ーアドバンスト理論編も載せておきます。

 
統計学の入門テキストとしては、先に紹介した漫画本に加えて以下がいいと思います。

基本統計学(東洋経済新報社) は文系の統計学初心者が使う本として1番だと個人的に思っています。自分が初心者だと自覚がある人はこれから始めることをお勧めします。かなりのロングセラーである基本統計学(有斐閣) も同じ難易度であるためお勧めです(好みの問題)。ちなみに私は 基本統計学(東洋経済新報社) を愛用していました。

 

上の2冊は物足りない、少しわかりにくいと感じ、腰を据えて学びたい方にはこちらをおすすめします。とにかく式展開と解説が丁寧・豊富で、ここまで、入門レベルでこれほど分かりやすかった本は日本語でも英語でもなかったと思います。統計学計量経済学を学ぶには線形代数の知識も必須です。数学書の紹介をする予定はありませんでしたが、右の本は自信を持って推せるので合わせて紹介させていただきます。他の経済数学や線形代数の本で満足していない方は是非ご検討を。注:「プログラミングのための〜」とありますが、プログラミングはほぼ関係ありません。

 
以下は読み物です。「最強」とつくタイトルの本は怪しい匂いがしますが、このシリーズは超がつく統計の良書なので是非読むことをお勧めします。

統計学が最強の学問である[数学編]は統計的理解・頭脳を鍛えるのに最適な読み物だと思います。これを1周とは言わずに何周も読むのも(時間があるなら)いいトレーニングになると思います。一応数学編以外もあり、読み物として面白いので載せておきます。ビジネス本もあるので、就職・就活するのに「ビジネスの統計ってどんなのか知ってますよ」という上部の知識を付けてESを書いたり面接に挑むのもいいかもしれません。

 

統計・確率などの読み物として面白かったのはこの辺です。左から読み易かった順に並べてます(ページ数と内容的に)。

 

中級〜上級レベル

THE中級がどのくらいか分からないので範囲を広くしました。

大学院の初級レベルとしても定番な2冊です(右はS&Wの和訳)。
どちらも同じくらいのページ数と難易度ですが、Stock & Watsonの方がWooldridge本より内容が良い&分かりやすい気がします。和書に比べ説明がダラダラしている感じがあるが、数学苦手が多い文系にはこのくらいがちょうどいいと思います。
右はStock & Watson和訳本です。英語が読めない方はこれを、と言いたいが高すぎます...。頑張って英語を読めるようになりましょう。

 

統計学のテキストでは、基本統計学に比べ少し難易度が上がるのがこちらのシリーズです。個人的に経済系の人が読んだら嬉しい本を左から並べました。この中では赤本だけやってればひとまず十分だと思います。

 

数理統計・確率を勉強するときに使ったのがこの左の2冊です。経済学では触らない部分も多いですが、数理統計などは学部のうちにしっかりやっておけばよかったと後悔しています。統計学への確率論,その先へも好評ですね。測度論までやる場合は良いかも知れません。

 
和書でガッと勉強するのが多くの純日本人には手っ取り早いでしょう。

左上から順にコメント。
末石先生の計量経済学は漸近理論とか収束とか、その辺の説明が日本語のテキストの中でもかなり充実しているものだと思います。この本と難波先生の計量経済学講義の2冊とも読めればいいと思いますが、まずはどちらか1つを終わらすのもいいかも知れません。難波先生の計量経済学講義の後ろ半分くらいは数理統計のパートとなっており、行列・線形代数を使った統計学計量経済学を勉強する上で必要となる基礎をまとめて勉強できるのでかなりオススメです。浅野・中村は学部4回のときに結構勉強したのだが、個人的には好みではありませんでした。武隈ミクロのような感じを受けたためです(無味乾燥...)。あと、それなりに広い範囲をカバーしているのですが、ページ数が十分でないため、どれも中途半端な気がしました。
山本計量は院試対策の定番テキストとなっている(なっていた?)みたいです。私はハードカバーが苦手です。それだけの理由で読んでいませんが、かなり定番の本です。学部授業の指定教科書となっていることも多いかもしれません。 計量経済学のための数学は、タイトルの通りです。線形代数や解析って、理系学部生向けのテキストの全てをやる必要はないと思うんですよね(特に応用計量を専門とする人は)。大学院生や学部後半になると、だらだら何でも勉強できる時間の余裕も減ってきますよね。「経済数学」はあっても「計量数学」の和書はなかったため(あったらすいません)、この本がその貴重や役割を果たしてくれます。計量経済学 (New Liberal Arts Selection)は同じく昨年発売され、おそらく和書の中で一番ボリュームがあり、かつカバーしている範囲の広さと深さが評価されているように思います。個人的には、「第II部 ミクロ編」はかなり読み応えがあります。また、付録の数学補習も充実しています。どちらも学部生の時に読みたい本でした号泣。

 

Angrist&PischkeのMastering 'Metrics: The Path from Cause to Effectの分かり易さは異常です。ただ、Stock & WatsonWooldridge本を少しでも読んでから手に取ると良い気がします。次のレベルがMostly Harmlessです。実証分析入門はざっくり言うとMostly Harmlessを簡潔にした感じです。Mostly Harmlessから数学的な説明を抜きにして、実証論文の例を省いた(ゼロではない)感じとも言えるでしょうか。非常に読みやすく、特にMostly Harmlessで分からないところを補完する役割としてこの本が最適な印象です。

 

ミクロ計量に特化するとAngrist&Pischkeの「ほとんど無害」な計量経済学Mostly Harmless Econometricsがあります。ミクロ計量やる人はmust readです。和訳がイマイチだという評価がありますが、日本語の方が早く読めるので私は和訳本を持ってます。しかし和訳版はお高いのが少々ネック。英語に自身がある、ついでに英語の練習をするという人は安い英語版を買うのがいいかもしれません。

 

2010年代はMostly Harmlessの時代だったかも知れませんが、2020年代Causal Inference: The MixtapeThe Effectがスタンダードとなるかも知れません。前者は584ページ、後者は646ページあります。どちらもWebでも無料で読むことができます。荷物にならない・文字検索できる点でとても助かりますが、読み込むなら「紙」の筆者はThe Mixtapeをポチりました。

 
上の2冊に加え、「因果推論」にフォーカスしている書籍は以下です。

Dufloたちの政策評価のための因果関係の見つけ方(“Using Randomization in Development Economics Research: A Toolkit” Handbook of Development Economics, Vol.4 Ch.61 の和訳)も関連すると思います。実験する方達はmust readだと思います。日本語で読めることと、解説「エビデンスに基づく政策形成の考え方と本書のエッセンス」が良い点でしょうか。先のDufloたちの文献(RCT入門)とは異なり、観察データで因果推論を考えているのが調査観察データの統計科学です。DID、IV、選択バイアス辺りだけ読みましたがとても分かり易かったです。岩波データサイエンス「因果推論」も間違い無いですね。読み物としてとても良いです。薄いです。統計的因果推論の理論と実装はここ数年で一番良い本ではないでしょうか。数式展開と説明がとにかく丁寧です。Rでの実装も想定してコードと説明があるのでR入門にも良いです。DAGの説明も分かり易く満足しました。効果検証入門はかなり実務、特にビジネス向きに書かれている印象ですが、Rの実装、特にtidyverseで書かれている点が個人的には好きです。

 
以下は読み物です。

制約の弱い仮定で「点」ではなく「区間」を識別する「部分識別」を発展させてきたマンスキーのデータ分析と意思決定理論。日経の読書でも紹介されていました(マンスキー データ分析と意思決定理論 チャールズ・マンスキー著)。部分識別について学ぶ機会が少ないので、とても勉強になりました。

 

これが理解できたら十分:上級レベル

この辺は学部の上級クラス(院と同じ授業)で使っている大学もあるので書いておきます。院進する方は時間がある限り読んだり演習問題を解くのが吉だと思います。

この辺が定番でしょう。
この中でも圧倒的なページ数を誇るGreeneが定番としてあるようです。 Hayashiも丁寧な説明などで定評があります。 WooldridgeのCross Section and Panel Dataの2章か3章にある色々な収束の定理の証明・説明はなかなかなものだと思います。収束がよく分からなければこいつを読んでみると良いかもしれません。自分は大数の法則中心極限定理からの連続写像定理(continuous mapping theorem)、Slutskyの定理、Delta法なんかを参考にしてました。
ミクロ計量で定評があるのがCameron&Triverdiです。 Cameron&TriverdiのStata本は実証をやるecon族は度々お世話になる本です(Stata使うならば)。図書館で借りる程度で十分だと思いますが、私は買っちゃいました。

上級レベルでも色々書きましたが、私ががっつり使ったのはBruce Hansenのオンラインテキストです。無料でダウンロードできて、Stata、R、Matlabのコードも載っています。授業のテキストがこれであったのもあり、該当の章を印刷して読み込んだりなんなりしてました。さらっと見るならiPadで読むのもいいかもですね。

どれも斜め読みで理解できる内容ではないので、講義の指定テキストになっているものを読んだり、辞書的に使うのが良いのかも知れません。

各国の所得税率・社会保障負担率を比べてみた(可視化のRコード付き)

はてなブログの方がPVがいいので、noteの記事を貼る。コピペなので汚いです。ご関心があればnote記事に飛んで頂けますと幸いです。

note.com

イントロ

「日本の所得税率は世界でトップクラスに高い」という話をちらほら聞く。気になったので調べてみた。

日本の所得税最高税率は45%世界で、住民税(約10%)が加算されると約55%となり、この税率は世界で2番目に高いらしい(1位はスウェーデンの約57%)*1, 2。

あくまで「最高」税率の話であって、私みたいな貧乏人の所得税率はもっと低い。控除額と合わせて国税庁のHPに掲載されているので、詳細はそちらに。

気になったのは、一般庶民の所得から何%が所得税社会保険・保障料として持っていかれているか。OECDがレポートを出していたので、そのレポートとデータを見てみた。データが綺麗に整備されてDLできたので、Rのggplotを叩いて図も作ってみた。

注意:税金や社会保障の素人です。勝手な解釈はしていないつもりですが、間違った記述があれば指摘して下さい。使用しているデータはOECDのTaxing Wages 2021です。

総賃金収入に対する平均所得税率・平均社会保障負担率

(濃い紫)総賃金収入に対する平均所得税率(%) (薄い紫)総賃金収入に対する平均社会保障負担率(%) それぞれ、平均的な所得を得ている単身・子ども無しの場合。

上記の条件で見ると、日本の所得税社会保障は所得のうち22%くらいになる。冒頭に記載した最高税率とはかなりギャップがある。

先進国の中でもかなりギャップがあるが、保険料を国に納める場合はこのOECD統計に集計されている(ハズだ)が、国によって制度が異なるのは当然のこと、民間企業が運営する保険への支払いは計上されていないと思うので、解釈には注意が必要だ。

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Tax Wedge・税のくさび

OECDの説明では、「「税のくさび」(tax wedge) とは、労働所得に対して課され、被雇用者と雇用主が支払う税金の尺度である」とされている。 上記の図に、「雇用主の平均社会保障負担率」を足したものとなる。

日本の平均の税のくさび(32.7%)はOECD加盟国の平均値(34.6%)よりも若干低い。

f:id:econgrad:20220223220148p:plain

可視化のRコード

データクリーニングのコードも載せている。 データはhttps://www.oecd.org/tax/taxing-wages-20725124.htmの下にある"METHODOLOGY & DATA"からcsvをDLして"tax.csv"としてDirectoryに入れた。

library(tidyverse)

d <- readr::read_csv("data/tax.csv")

# Income Tax and Social Security
income_tax_security <- d %>% 
 dplyr::filter(Indicator %in% c("Average income tax rate (% gross wage earnings)",
                                "Average rate of employees' social security contributions (% gross wage earnings)"),
               FAM_TYPE == "SINGLE2",
               Year == 2020)

# Tax Wedge
tax_wedge <- d %>% 
 dplyr::filter(Indicator == "Average tax wedge (% labour costs)",
               FAM_TYPE == "SINGLE2",
               Year == 2020)
               
f1 <- income_tax_security %>% 
 dplyr::filter(!Country %in% c("Australia", "Denmark", "New Zealand", "Colombia", "Chile")) %>% 
 ggplot(aes(x = reorder(Country, -Value), y = Value, fill = Indicator)) +
 geom_bar(stat = "identity", position = position_stack(reverse = TRUE)) + 
 geom_text(aes(label = sprintf("%0.1f", round(Value, digits = 1))), 
           size = 4, hjust = 1.1, color = "white", position = position_stack(reverse = TRUE), family = "Optima") +
 scale_y_continuous(expand = c(0, 0.1), limits = c(0, 50)) +
 scale_fill_manual(values = c("#6A51A3", "#9E9AC8")) +
 coord_flip() +
 theme_minimal() + 
 theme(legend.position = "bottom", axis.title.x = element_blank(), axis.title.y = element_blank(), legend.title = element_blank(),
       text = element_text(size = 14, family = "Optima"), plot.title = element_text(size = 16)) +
 guides(fill = guide_legend(nrow = 2)) +
 labs(title = "Average income tax rate (% gross wage earnings) \nAverage rate of employees' social security contributions (% gross wage earnings)",
      subtitle = paste(income_tax_security$`Household type`, "(Year: 2020)")) 

ggsave(f1,
      filename = "fig/tax/income_tax_social_security.png",
      width = 10, height = 8)


f2 <- tax_wedge %>% 
 dplyr::filter(Value != 0) %>%
 ggplot(aes(x = reorder(Country, -Value), y = Value)) +
 geom_bar(stat = "identity", position = "stack", fill = "#9E9AC8") + 
 geom_text(aes(label = sprintf("%0.1f", round(Value, digits = 1))), 
           size = 4, hjust = 1.1, color = "white", family = "Optima") +
 scale_y_continuous(expand = c(0, 0.1), limits = c(0, 60)) +
 # scale_fill_manual(values = c("#6A51A3", "#9E9AC8")) +
 # scale_fill_manual(values = c("#6A51A3")) +
 coord_flip() +
 theme_minimal() + 
 theme(legend.position = "bottom", axis.title.x = element_blank(), axis.title.y = element_blank(), legend.title = element_blank(),
       text = element_text(size = 14, family = "Optima"), plot.title = element_text(size = 16)) +
 guides(fill = guide_legend(nrow = 2)) +
 labs(title = tax_wedge$Indicator,
      subtitle = paste(tax_wedge$`Household type`, "(Year: 2020)")) 

ggsave(f2,
      filename = "fig/tax/tax_wedge.png",
      width = 10, height = 8)

  1. Which countries tax their citizens the most?
  2. 「日本の所得税が世界2位の高さ」ってホント?調べてわかった意外な事実

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自分をたいせつにする本(服部みれい著)

前の記事にも書いたが、服部みれいさんの『自分をたいせつにする本』を読んだ。
ここまで自分を大切にすることについて向き合い、そしてその方法を一冊の本にまとめた人って過去にいるのだろうか。
今、本書の中に書かれていることを少しずつ実践している。
そして本を読み直すたびに、文章から彼女の情熱が伝わってくる。
素晴らしい本。ぜひ、皆さんにも読んで欲しい。

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言葉と自分:ことばからどのような影響を受けているか

はじめに(雑談)

(執筆時間20分) Middle 20s crisisの真っ只中。
振り返ると過去1年、特に半年間は退化し続けていたのではないかと思うようになってきた。
20-22歳くらいの体力と精神力があればこうなることはなかったと思うが、人生の駒を前進させると予想以上にノイズに苦められる事が分かった。マンキュー御大のとあるブログ記事にも似たような事が書かれており、私の気持ちが言語化されていて気持ちよくなった反面、課題が浮き彫りになり怖くなった。

 

本題:ことば→気持ちの影響

私の生活は、他人のことばの影響を強く受けている(他人と比べて影響を受けやすいのかは分からない)。自分に向けたことばや、誰かが過去に残したことばから影響を受ける。
特に、誰かが自分に向けたことばは自分ではコントロールできないため、喜びの幅も大きいが同時に傷付く幅(深さ)も大きい。

 

体力的に死んでいる時にことばにより精神的に追い討ちをかけられた時は、脳内のメモリというかCPUというかその辺りが全て占領されてしまっているため、何か生産することはできなくなってしまい、床と水平になってスマホTwitter見るかYouTube見るか、Kindleで漫画や雑誌を眺めることしかできない。この時、自分ではこの沼から脱出したいと考えているが、そのようなエネルギーが残っていないため、ただ怠惰生活を過ごすことにより体力ゲージが少し溜まるのを待つしか出来ない。

 

少し体力的に元気が戻ると、ひたすら本を読む+ポチるという行動をとる。あと、同じ曲を聴きまくる(Bank Band with Salyuの『to U』という曲を無限リピート)。過去に人が残したことばは変わる事がないので、自分にとって都合のいいことばを受け取りに行く事ができる。最近は、研究関連の本はほとんど読まなくなり、外部のノイズや他人の言動など、コントロール出来ない事象に左右されない生活だったりマインドを持つために必要な事が書かれているような本を読んでいる。最近ようやく実行にも移せているが、習慣化には至っていないので、その辺りが今後の課題。研究的なスキルが何も向上していないため、この勉強をする事自体も劣等感を感じていたが、これまで身に付けて来なかった視点やマインドセットを得ることにより、長期的には人生を豊かにしてくれるのだと考えられるようになった。これはここ数日の話。

 

興味がある人へ

最近(多分前回のエントリから)読んだ本を紹介しようと思う。全て何からの形で上述の勉強に使用させて貰った本である。繰り返し読んだ本もあるため、既に紹介済みの本もあるかも知れないが、興味がある人は概要や目次を確認してみて欲しい。

 

さいごに

読書から得た情報にしろ、他人から貰ったアドバイスにしろ、自分は何でも実践する方だが、定着したことはあまりないように思う。世の中にはまだまだ読みたい本がたくさんあるしこれからも出版されるのだが、出来るだけ読む量を減らして自分で考える時間を増やしたいと思う。SNSにしろネットニュースにしろ、近年は情報が多すぎて洪水状態になっており、処理するので一苦労である。その上読みたいと思った本を読んでいたら、自分で考えて実践する時間が不足してしまう。とにかく、改めて自分と向き合い、人間として成長するために時間を割いていきたいと思う。

 

さて、ここまで読んで頂いた方は気づいたかも知れないが、上記のサイクルに陥ると私は研究に関わることは何も出来なくなってしまっているのである(昔はここまで落ちる事が無かった)。

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(つぶやき)試行錯誤?の日々

23歳くらいまでは苦労することもほとんどなく、その場面では自分の希望を実現することが(ほぼ)できてきたが、その後2年ほど(現在25歳)は真逆な人生を経験している。
調子の波にどう対応するか、なかなか正解が分からず、自分なりに考え調べ工夫をしていると1日が終わったりしている。あとn回踏ん張ればいい結果が出るはず...!と信じても、あれ、n→∞じゃん、みたいな感じになっている。特にここ数日は。今は人生の仕込みの時間だと思い込んで、n踏ん張り(1<n<100)してみようと前を向いている。

 

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(読書)アジア経済はどう変わったか-アジア開発銀行総裁日記

中尾武彦著『アジア経済はどう変わったか-アジア開発銀行総裁日記』を読んだ。
昨年、2020年6月に出版された本。中尾元ADB総裁が執筆した本。珍しい本だなと思い買ってみた。
 
ざっくり言うと、(1) アジア経済がどう変わったかをまとめて学べる、(2) 回顧録としてトップに立つ人の(外向けの)思考を覗ける、と言う点で読んでよかった。と言っても、最近の悪い癖で、かなり飛ばし読みしてしまった。かなりskimしていて、面白いと思ったところだけじっくりと読む感じ。大量消費には良いが、これをするとどんな本にも手を出してしまうので避けたいところではある。開発とかに興味があるひとは読んでみるといいと思う。

 

あと、どうでもいいけど、読者の皆さんはAmazonでお買い物する際にはぜひアフィリンクを踏んでから購入してください。関係ない商品でも、アフィリンクを踏んでから購入してくれると僕の財布が潤います。 

内容(「BOOK」データベースより)

円高、円安に揺れた財務官時代から、AIIB出現への対応、革新的な資金拡充策などに取り組んだADB総裁時代へ―世界経済のなかのアジアを見据える。21世紀は本当に「アジアの世紀」となるか。

著者について

中尾武彦 1956年大阪府生まれ。78年、東京大学経済学部卒業、大蔵省入省。82年、カリフォルニア大学(バークレー校)経営学修士泉大津税務署長、主税局、国際金融局、国際通貨基金(IMF)への出向、銀行局金融会社室長、財務省国際局国際機構課長、主計局主計官(外務・経済産業・経済協力担当)、国際局開発政策課長、在米国日本大使館公使、財務省国際局次長、国際局長を経て、2011年財務官に。2013年4月よりアジア開発銀行総裁(~2020年1月)。著書に国際局次長時代の『アメリカの経済政策』(中公新書、2008年)がある。その他英文での論文多数。

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過去半年で読んだ本とその雑感(本好きは是非いらっしゃい)

毎年読む本の数を減らそうとしているのだが、読みたい本が多くて困っている。
過去半年で読んだ本の一部を雑感を添えて紹介する。目的は現実逃避。
 

村上春樹 走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

小さな一歩の積み重ねが大切だと感じることができるエッセイ。自分も走ろうと思うようになる。私は走ってます。  

レイモンド カーバー 愛について語るときに我々の語ること

村上春樹エッセイの元となった本。難しいが、それなりに理解できた気がする。  

津崎 良典 デカルトの憂鬱 マイナスの感情を確実に乗り越える方法

よかった。もう一回読みたいと思うが、少し長い。しかしよかったことには変わりないので、やはりもう一回読むことにする。

ティファンヌ リヴィエール 博論日記

漫画。研究する人、研究者を知りたい人は一度読んでも損はない。楽しめる一冊。

ジョージ・オーウェル パリ・ロンドン放浪記

オーウェルと言えば、1984だが、友達に勧められたにも関わらず読んでいない。実はこの本も最初だけ読んで積読中。読んだことには変わりないので掲載。

エステル・デュフロ他 政策評価のための因果関係の見つけ方 ランダム化比較試験入門

ハンドブック開発経済学の中の一章の訳本。珍しい。開発経済学やるならとりあえず読んどく本。(私みたいに日本語で読みたい人は。)

ナシーム・ニコラス・タレブ 身銭を切れ――「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質

このタイトルに惹かれた人は読んでみても後悔しない。少し長いので、面白くないところは飛ばそう。私は好きでした。

ディアドラ・マスク 世界の「住所」の物語:通りに刻まれた起源・政治・人種・階層の歴史

No1面白い本。歴史と地球科学はとにかく面白い。全てを犠牲にして読みましょう。

ルイス・ダートネル 世界の起源: 人類を決定づけた地球の歴史

No1面白い本。歴史と地球科学はとにかく面白い。全てを犠牲にして読みましょう。

小林りん 世界に通じる「実行力」の育てかた はじめの一歩を踏み出そう

某経済学者さんが登場しているので読んでみた。面白い。数時間で読めるので、息抜きにぴったりの本。

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