開発経済学とその他応用分野を学ぶ院生

人間万事塞翁が馬を大切にしている応用経済学徒. 2020年4月から開発・計量・プログラミング関連の記事を書きます.

モンティ・ホール問題

大学院ネタとは関係ありませんが、春休みに勉強していた確率論(URL)のテキストの付録に書いていたモンティ・ホール問題がとても上手く説明されていて面白かったのを思い出して、シェア。

モンティ・ホールはクイズ番組の司会者の名前です。

ベイズの定理の応用としてよく挙げられる定番の例かと思います。

以下、簡単にテキストから引用させていただきます。

この問題は、3つのカーテンがあり、そのうちのどれか1つのカーテンの後ろに懸賞が隠されているという問題です。 それを次のXつのステップ観客が司会者とやりとりをして当てるというクイズです。

  1. 懸賞は当確率(つまりそれぞれ1/3の確率)でカーテンの後ろに置かれている。また、司会者はこのときどのカーテンの後ろに懸賞があるかを知っている。

  2. 回答者は、これを当てようとして1つカーテンを選択する。今、選ばれたカーテンをAとする。

  3. 司会者は、選ばれなかったA以外の2つのカーテンのうち、懸賞のない(両方とも無ければ無作為に1つ選ぶ)カーテンBを開き、カーテンBの後ろに懸賞がないことを回答者と確認する。

  4. さらに、司会者は回答者にこのまま初めに選択したカーテンAの選択でいいのか、それともまだ開けられていないカーテンCを選択するのか、選択肢を与える。

  5. 回答者の選択されたカーテンは開けられ、懸賞があれば回答者にその懸賞が渡される。

これをベイズの定理に基づくと計算でき、確率的に4の段階(カーテンBを見た後に選択を変更するかどうか)での望ましい選択をすることができる。

テキストでは条件付き確率などのを用いた計算を行っているが、ここでは割愛する。が、これは直感的にも分かるものであると思う.

各ステップを振り返りながら考えていこう。 この記事の読者の皆さん(あなた)が回答者だとして話を進めます。

まず、それぞれのカーテンの後ろに懸賞がある確率は1/3である。

ステップ1であなたが選択したカーテンAの後ろには1/3の確率で懸賞があります。

そこで、ステップ3で司会者は残された2つのカーテンのうち、懸賞が置かれていないカーテンBを教えてくれます。 つまり、この時点で開けられていないカーテンCの裏に懸賞がある確率は1/2ということです。 「じゃあカーテンAの裏に懸賞がある確率も1/2じゃん」と思うかもしれませんが、そうはならないのです。Aの裏に懸賞がある確率は1/3のままです。

よって、カーテンBが開けられて後に、カーテンAからCへと選択を変更することによって、懸賞を当てる確率を高めることができます。

「なんでだよ」と腑に落ちないかもしれませんが、ざっくばらんな説明はこんな感じです。

計算例はこのテキストのほか、他のサイトに載ってあるかと思うので、気になる方はそちらを読んでいただけるといいかもしれません。

確率論の数学的な厳密(?)さなどには若干欠けている本だと思いますが、広い範囲を分かりやすく説明している本だと思います。 ブラウン運動マルチンゲールなどについても(もちろん)書かれています。統計学/確率論に興味のある方にはおすすめします。

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