一番新しい統計学の一般書(統計学が最強の学問である[数学編])
昨年末、新たに「統計学が最強の学問である」シリーズに [数学編] が登場しました。
統計学が最強の学問である[数学編]――データ分析と機械学習のための新しい教科書
この情報が私に入ってきたのは運よく発売前でしたので、予約購入してしまいました。
今一番読みたかった類の本です。練習問題などはありませんが、読み物の中では教科書に近ところに位置付けされる本であると思います。全548ページと教科書並みのページ数ですが、教養目的で読まれる方も、興味のある分野だけ(e.g. 三角関数だけ)読むのでも良いのかなと思います。
練習問題はありませんが、随所に例題が含まれており、『統計学入門』などと題している本よりも用語などについて0からの説明がされております。
私が説明するまでもありませんが、人本書の良いところは、
統計学、統計(データ)分析、機械学習をを学びたい向けに、それらで必要とされる数学の範囲を明示してくれており、その範囲の説明を中学数学〜大学数学(初級くらいでしょうか?)のレベルで例題を交えながら説明されていることです。
個人的には、行列と積分を使った説明のパートが豊富であることが非常に嬉しいです。理由は個人的に苦手であるからです。私は経済学部所属でして、一応「経済数学」の授業で(レオンチェフ)逆行列くらいまでは学びましたが、ベクトルと行列の概念が上手く結びついていませんでした。
これまで数学を深く学んでおらず、大学(学部)の講義も数学レベルに関していうと充実していないので、普段独学の私には、講義の雑談で聞けるような豆知識もしれたので、そういう側面でも読んでいて楽しいです。
ここから、1つその例をあげてみます(p306より)。
行列を学んだ方はご存知でしょうが、m行n列 × m行n列 の計算は成立しませんよね?
理由は左側の行列の列数と右側の行列の行数があっていないと掛け算はできないからです。
例えば、2×3と3×2 なら成立します。
そして、その掛け算の結果は2行2列の行列になりますよね。
3つ以上の行列の掛け算も行と列の数のルールさえ守っておけば計算は成立します。
k行l列の行列・l行m列の行列・m行n列の行列 = k行n列の行列
という結果になりますが、これを西内先生は「しりとり」と言っており、
「リンゴ・ゴリラ・ラッパ」のように、言葉の終わりとはじめが一致しており、途中経過は無視して全体のはじまりは『リ』で終わりが『パ』であります。
行列の積と同じであります。
初めて学んだとき、この説明があればどっちがどっちだったか忘れることなく一発で覚えれたこと間違いなしです。
学部生・社会人で分野問わず大学院へ行きたい人、独学でデータ分析を学びたい人などにとっては新しい切り込み方の本のような気がしてお勧めしたいです。
なお、初めて2ヶ月ほどで、1ヶ月以上更新しておりませんでしたが、その割にはまあまあな数の方が毎日このブログの記事を読んでくださっていたようです。ありがとうございます。小ネタでも頑張って更新してみたいと思いました。
経済学の大切な概念↓